最近、いろいろなところでSDGsと言う言葉が出てきており、企業の社会的価値や信用についても、このSDGsにどれくらい真剣に取り組んできているのかが問われている。
しかし、国際社会から見た場合、SGDsに取り組むことは当たり前であり、日本社会だけがSDGsと言う事を言葉に出し宗教的に唱えており、かつ変なバッジを作り誇らしげに胸に付けているのが、海外から見ると異様に映るようだ。
まるで日本自体がカルト集団になったような感じに思えるらしい。
とは言え、持続可能な社会を作る事は重要な事であるため、今回SGDsについて取り上げたいと思う。
このSDGsを実行するにあたり、最も重要なことは以下の事だと思う。
目先に囚われて全体をみうしを見失っては意味が無い。つまり木を見て森を見ずになってしまってはいけない。
SDGsって意外と目先の事が捉えられやすい
SDGsというと、ニュース記事を見ていても以外と目先の事をピンポイントで捉える事が日本の場合多いような気がする。
例えば二酸化炭素排出量削減の為、これからはEV(電気自動車)で環境問題を解決する。

そう言われていますが、ではそのEVに使用するその電気はどのようにして作られますか?
現在日本の社会において電気代が高騰して来ているのは、電気の発電が足りていないからですよね。
一般家庭用電気も不足している中で、貴重な電気を自動車へ分配したら、余計に一般家庭用電気が不足して行くと思いませんか?

つまり目先の環境改善だと言い、これからはEVだと言う前に、EVが使用する電気はどのように賄うのかと言う全体を見て話をしないと意味が無く、本末転倒な結果になってしまいかねないという事なんです。
SGDsに対応して結果不確実な真実の例はこれです
実際に私が過去に経験したことについてお話しします。
環境問題が叫ばれるようになった時、商品の保護の為に使われている発泡スチロールは環境に悪い。

これを撤廃し、代わり段ボールの緩衝材を使用しようと言う話がクローズアップされました。
当時は包装梱包に関わる業務に携わっていた為、この問題に対処した経験が有ります。
当時発泡スチロールは軽量で優れた緩衝性能を持っていました。これを段ボールに変更しようとすると、段ボールの特性上目方向に逆らう方向では強度が強く、逆に目方向では弱いと言う二面性を持っておりました。
この段ボールの特性の影響で緩衝材の形状が複雑になり製品を保護できるまでに、かなりの実験時間とコストが掛かりました。
従って最終的に複雑形状を出す為、接着したりしてコストアップにつなったのです。
また接着剤を使用すると、再利用できないとか接着剤自体が環境に悪いとか言う弊害も実際には発生したのです。
しかし、それらの弊害は大きな大義名分の環境改善と言う名の下に、目をつぶってやり過ごしていたのです。
当時の風潮としては、何でも段ボールで作れば良いと言う事から、段ボールベッドとか段ボール襖とかいろいろありました。

そして最大の課題は、当時段ボールによる緩衝材は今ほど古紙回収のシステムができていなかった為、回収には多くの人件費と車が必要でした。

当時回収のシステムができていた発泡スチロールと比較すると、材料を作り、製品を製造し、廃棄後回収すると言うライフでのサイクルを考えると、段ボールより発泡スチロールの方が費用も安く環境に優しいと言う結論になったのです。
これがLCAと言い、Life Cycle Assesmentと言う指標なのです。しかし当時の政府は、紙は環境に優しいと言うキャッチフレーズで宣伝していた為、LCAでの話は話題にあがりませんでした。正に不確実な真実です。
また皆さん知ってますか?
紙は再生すれば再利用ができると思われますが、実際には回収した紙を溶かして原料に戻す作業が必要になります。
この時、紙の表面がコーティングされていたりする紙は再生に不向きに為排除されます。残った古紙は再生工程の最初にインクを落とす脱墨と言う工程があり、特殊な溶剤を入れ印刷されたインクを落としていくのです。

紙を溶かし、特殊な溶剤で印刷したときのインクを取り除いていく。そしてその溶剤を廃棄する。この時の廃棄は環境に本当に問題無いのでしょうか?
このように古紙を製造していく過程では、大規模な設備と特殊な溶剤を使用して再生していくわけですから、大きな電力をも消費していき実際には環境に優しくないと思います。
このように、実際の工程の背景には羽仁があるのかを考えないで、目先の環境保護という言葉に踊らされていると、木を見て森を見ずの状態になり、本末転倒になってしまうのです。
SDGsを語るにはマクロな視線が必要だ まとめ
簡単な例を上げてSDGsを語るにはマクロな視線が必要だと言う事について説明してきました。
良かれと思っている環境改善の裏側で、実は環境に良くないことを行っているというような事もありかねないと言う事なんです。
最後にもう一つ面白い事例を紹介します。
紙を作るのに木を伐採してチップを作り、それから紙の原材料を作ります。この時、木を伐採するから環境破壊で二酸化炭素排出量が抑えられなくなったり、地滑りなどの自然災害が発生すると思われています。

しかし、今までは生えている木を伐採してきましたが、これからは伐採した跡地に1〜2年で成長する木を栽培し、それを伐採して紙の原料を作れば、昔からの大木を切る必要もありません。
何よりも新しく1〜2年で成長する木を使うことでバージンチップになりますので、古紙を再生するよりも遙かに安く環境に優しい製造工程になるのです。
つまり目先を変える事で、環境に優しく安い製品を作ることができると尾言うことですね。
最後にもう一度言います。
目先に囚われて全体をみうしを見失っては意味が無い。つまり木を見て森を見ずになってしまってはいけない。
会社幹部の年寄りは固定概念から脱却する事ができません。今の若い人達が、固定概念を破壊し、斬新なアイデアで明るい未来を築いてくれると信じています。
