社会を発展させて行くにはDXが必要だ、そう言われ続けて数年が経過しますが一向に日本のDXは定着していきません。
その理由の一つに、日本と欧米の文化にはいくつかの違いが存在し、その影響によりDXが浸透していかず、結果定着していかないと考えられています。
欧米との文化の違いには5つ考えられます。以下に、日本の文化とそれに対するDXの浸透を促進するための対応策を説明します。
欧米との文化の違い5点
文化の違いだと一言で言ってしまえばそれでおしまいになってしまいますが、実際にはそんなに簡単な事ではありません。
それでは特に違いの中で重要と思われる4点について絞って違いと対応策について説明していきます。

①コミュニケーションスタイルの違い
日本のビジネス文化では、上下関係やフォーマルなコミュニケーションが重視されます。
これにより情報の階層化や情報の共有の制約が生じ、DXの推進において情報の滞りが起こる可能性があります。
対応策
オープンなコミュニケーションを促進し、情報の共有を容易にするためのプラットフォームやツールを導入することが重要です。
また、経営陣や上級管理職が積極的に意見を求め、従業員が自由に意見を出し合える風土を醸成することも重要です。
WorkPlaceのような情報の共有化ツールを用い、そこに書き込まれた内容については否定しないなどと言うルールを設け、自由に発言できる環境を作る事が大事なんですね。
②リスク回避の文化
日本の企業文化では、失敗を避けることが重要視されます。これはDXの導入においても影響を与える要素です。
失敗を恐れるがあまり、新しいことや視点が違う事に対してアクションを起こしにくい環境となっております。

対応策
リスク管理を徹底しつつも、積極的な試行と学習を奨励する文化を醸成することが必要です。
失敗を学びの機会と捉え、経営陣が挑戦を奨励し、成功事例や失敗事例を共有することで、従業員のリスクテイク意識を高めることが重要です。
成功の反対は失敗ではなく、行動しないことと言う定義を植え付け、失敗よりも行動しないことを恐れる文化を創る必要があります。
③長期志向の文化
日本の企業文化では、長期的なビジョンと持続的な成長を重視する傾向があります。
一方、DXは迅速な変化を求めるものであり、短期的な成果を追求することも重要で、短期的な変化に対応することで、市況の変化に対して追従していく事が可能となります。
対応策
DXの導入を長期的な成長戦略と結び付け、中長期的な目標を設定することが重要です。
更には、中期計画をブレークダウンし短期項目に変換すると同時にプライオリティ付けを行い、担当グループや担当社を明確にしていく。
また、成果の可視化や早期の成功事例の共有によって、組織内にDXの価値と効果を浸透させ成果を横展開していくことが必要です。
④システムの慎重な導入
日本の企業では、システムや技術の導入に慎重な傾向があります。
これは、信頼性や安定性を重視する文化の一環で、効果が確認できないシステムは導入しないと言う風潮があります。

対応策
DXの導入を段階的に行い、リスクを最小限に抑えながら進めることが重要です。
また、信頼できるパートナー企業との協力や、導入前の評価・検証フェーズの強化によって、従業員の安心感を高めることも重要です。
⑤規制環境とデータプライバシー
日本は個人情報やデータの取り扱いにおいて厳格な規制環境があります。例えば、閲覧したり活用したりできる役職を制限したりすることです。
これは、DXの導入においてデータ活用の障害となることがあります。
対応策
適切なデータセキュリティ対策を講じると同時に、規制との適切なコンプライアンスを守りつつ、データの活用とプライバシー保護を両立させるための枠組みを整備することが必要です。
また、透明性や利用目的の明示、個人データの自己管理への取り組みなど、従業員や顧客の信頼を確保するための取り組みも重要で、平行した教育啓蒙も必須となっていきます。
まとめ
現状、DXの浸透で先行している欧米に比べ、日本では文化の違いから先に挙げた5つの違いによる課題があります。
- コミュニケーションスタイルの違い
- リスク回避の文化
- 長期志向の文化
- システムの慎重な導入
- 規制環境とデータプライバシー
しかし、これらの課題に対する対応策を取り入れることで、日本の文化的な特徴に適した形でDXの浸透を促進することが可能となります。
また、経営陣や従業員の意識改革や教育プログラムの強化、政府や業界団体の支援など、多角的な取り組みが必要です。
どうしてもトップダウンによる現場優先になりがちですが、会社として経営者から現場までが一丸となり取り組まなければ、DXは浸透し定着していきません。
