最近よく言われる言葉で、労働生産性と言う言葉が有る。ニュースなどでも言うので、皆さんも聞いた事が有るんじゃないじゃないかな。
労働生産性と言う言葉は、なんだか分かったようでわかっていない。そもそも労働の中に業務があって、その業務ので気具合の一つの指標が生産性なんじゃないかなって思いませんか?
今回はその労働生産性についてお話ししていきましょう。
労働生産性の定義を知ってますか?
よく聞く労働生産性と言うことば、その定義ってみなさんは知っていますか? 一言で労働生産性と言っても、実は2つ存在するんです。
1つは付加価値労働生産性で、もう一つが物的労働生産性といいます。
一般的には、投資した労力に対して、どれだけ価値が有ることを生み出したかということから、付加価値労働生産性の事を労働生産性と言っているようです。
その計算式はどうなるか?
計算式自体は超シンプルで労働生産性は、生み出された付加価値額を労働投入量で割ったものになります。
つまり、生産量やそれに伴う売上高を作業人員や作業人員✖️作業時間の合計で割ったものなどを指します。
この割り出された数値が高いほど労働生産性が高いと言うことになり、少ない人員でたくさんの生産数量を上げるほど生産性が高いと言われます。
まあこれらは、単純に計算しやすいいわゆる直接作業に関しての話になりますね。
でも正確に言えば、実際の生産高に対して関わっている人員は
- 直接物を作っている人
- その材料となる部品を発注する人
- 生産進捗を管理する人
- 作業者に組み立て作業を指導する人
- 不良品を修理する人等
等の多くの人々が生産に関わっているのです。
従って、関わる人員をすべて合計して生産数量を割り戻すと、とんでもない数値になることも有るんです。
労働生産性で問題となるのは間接部門
実際にはたくさんの人が工場では働いており、単純には算出できないんですね。
特に、直接以外の間接部門の人員も、工場としては抱えている人員であり、この人達の給料も工場で生産する製品の出荷高で賄っていかなければなりません。
そのような人達って言いますが、どんな人が実際にはいるのでしょうか?
人事総務や経理部門、及び事業企画をする人達がそういう間接部門の人達なんです。
この人達は、いわゆる横断的に業務をしている人で、1つの製品に100%関わっているわけではありません。
しかし、工場として人員は固定費して発生しているので、どこかに割りかけて回収しなければなりません。
一般的な考えでは、製品群や事業体へ有る一定比率で割りかける方法を取るわけですね。
しかし、実際の生産ラインは改善作業を進め、より短い時間で生産できるように日々改善を実施しています。
資材調達の部門も、購入部品のコストを下げる折衝をしながら、購入価格の低減活動に努めています。
それらの活動効果により、製品コストは下がっていくのですが、あるところで下がり具合が飽和してしまいます。
それは、そこに関わる間接者の比重が変わらないからです。
つまり、製品のコストダウンをしていくと最後に問題となるのは、間接部門の割掛け費になるのです。
※実際にはそんな単純な話ではないですが、影響度から行くと大きな割合になります。
間接比率を下げるためには
この間接比率を下げて、コスト改善をすることが現代の急務の一つだと思います。
この間接作業というのは、昔からの悪式風習が一番残るところであり、ある意味聖域へメスを入れることになります。
実際に物を作っている直接部門と比較すると、間接部門の作業は本当に必要なものかの判断がなかなかできないというのも事実です。
なぜなら、今まで無駄な作業をすることで生きながらえてきた人がたくさんいるからです。
この領域の改善を行うことが大きく生産性を上げることになります。
今、この間接部門の生産性改善としてRPAと言うものが注目されています。
RPAとはRobotic Process Automationの略で、ロボットによる作業の自動化を意味しています。
ロボットと言いながらも物を作るロボットとは異なり、RPAはどちらかと言うとExcelのマクロのように作業を決められた手順で自動実行すると思ってもらえれば良いでしょう。
しかし、自動実行するとは言え、もしそのまま自動実行してしまっては、その作業の本質がチェックできておらず、ムダがあった場合にはそのムダも一緒に自動化してしまうという事になりますね。
間接部門の生産性向上でいちばん大事なことは、現状の作業プロセスを細分化して作業の必要性をまずは検証することが大事。
また、同じような作業がある場合には、作業のモジュール化を行い、いろんな業務で共通的に使えるプロセスに改造する必要がある。
こうすることで、まずは今ある間接作業の無駄を徹底的に排除し、そこから自動化となるRPAを実行するのだ。
RPAをやらなくても、多分プロセス分析をした時点で半分近く無駄な事をしていることが十分理解できると思う。
そのムダの理由も、昔からやっているという意味不明な状況でやり続けている事がほとんど。
これを実行することで、間接人員を大幅に削減することができ、この削減した人員を直接部門への配置転換を行い、新たな仕事を取り込みこの人員で処理すれば、総合人員を変えずに売上を伸ばすことができる。
また、既存生産品も直接作業の削減、資材費の削減、間接人員の削減により大幅コスト削減ができ、結果的に出荷高に対し投入費用を抑制することができ生産性が向上したことになる。
しかし余談だが、実際にはこの作業分析自体も十分に行われないのも事実なんだ。ナゼなら、そんなことをしたら仕事が無くなってしまうと思っている人も沢山いるからね。
まとめ 心の働き方改革は現状の否定から始まる
このように、働き方改革により生産性向上が叫ばれる現在、本当に働き方改革を実行していくのは、残業時間を削減するとか休日出勤しないとか言う簡単なことではない。
本当の働き方改革で生産性向上を実現するためには、今実行している作業内容を細かく分析し、本当に必要な作業以外をすべて止めるところにある。
つまり、昔からやっているとか、手順書通りとか言うのではなく
この作業の目的は何?
そのためにこの作業は必要?
と言う具合に、止めると言う否定から入っていかないと劇的な改善は望めない。
改善を進めると、作業的にはキツくなってくるので、改善作業に対しては基本反対の人ばかりだと思う。
しかし、経営思考でいる人はその抵抗を抑え込み、改善を強力にすすめる必要がある。
人は楽な方に流れるから、今辛くても楽になる方法を考え、更に効率は上がる方向に行くはずだ。
無理にでも推し進めることが労働生産性向上につながると信じている。
自分の既得権を最優先に考えるような経営者や管理者がいる会社では、絶対に成功はしない。
